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2025-11-01 23:51:00

今季、初物のボラの子を入荷しました! ~ カラスミのお仕事のはじまりです。

今季、初物のボラの子を入荷しました。

ご存じの方も多いことと思いますが、ボラの卵巣を塩をして、干してできあがるのが「カラスミ」です。

諸説あるようですが、「唐(中国)の墨」に色形が似ていたことからそう呼ばれるようになったと、私は教わってきました。

作り方も、かなりバリエーション豊かで、強塩にしたり、焼酎を使ったり、最近ではワインを使う方もおられます。

塩の目的は、水分を除き、臭みを取り除き、塩をすることで腐敗発酵の抑制を期待している。

酒類を使うタイミングもそれぞれ人により異なるようですし、また使わない方もいらっしゃるようです。

酒類の目的は、臭みを取り除き、旨味を添加し、腐敗発酵を抑制し、かつ良性発酵を期待している。

干しは、原則、外気で干すため、晩秋から冬にかけての寒い時期に合わせる。

しかしながら、今までの経験では、11月の寒さで安心して干し始めると、だいたい季節外れの暖かい日が訪れ、料理人を困らせるものです(笑)。

私は、しっかり乾燥させますが、十分に水分を抜き去り、そこにうまみ成分の劇的な増加を期待するからです。

鰹節、いりこ等、乾物とはそういうものです。

近年は半生が流行りで、半生仕上げのレア加減に驚くお客様に働きかけているようです。

しかしながら、うまみ成分は絶対的に「乾物>半生」」です。

そして、半生には腐敗発酵や、扱いによっては、望ましくない細菌類の繁殖を完全に否定はできません。

本流が乾物であり、先人たちの知恵。半生は、亜流。

そこに気づいている料理人の方々には、先人たちの知恵を日本の宝として、守り続けてもらいたいものです。

 

さて、美味しいカラスミに一番大切なことはなんでしょう?

もちろん、素材です!

近年は、流通が充実し、今朝活け〆のボラの子が、その日の夕方には届くのです!

筋子も同じ、やはり質や鮮度で、その味わいは全く異なります。

カラスミも、素晴らしい質や鮮度のよいものを仕入れてこそ、美味しく仕上がるのです。

近年の流通の充実と、協力業者様の選別眼とお力添えに、感謝しております。

 

当店での新物カラスミの提供は、1月になる予定です。

 

店主 拝

 

本郷三丁目 和食店 | 日本料理一会 | 元ミシュラン星獲得店

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