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今季、初物のボラの子を入荷しました! ~ カラスミのお仕事のはじまりです。
今季、初物のボラの子を入荷しました。
ご存じの方も多いことと思いますが、ボラの卵巣を塩をして、干してできあがるのが「カラスミ」です。
諸説あるようですが、「唐(中国)の墨」に色形が似ていたことからそう呼ばれるようになったと、私は教わってきました。
作り方も、かなりバリエーション豊かで、強塩にしたり、焼酎を使ったり、最近ではワインを使う方もおられます。
塩の目的は、水分を除き、臭みを取り除き、塩をすることで腐敗発酵の抑制を期待している。
酒類を使うタイミングもそれぞれ人により異なるようですし、また使わない方もいらっしゃるようです。
酒類の目的は、臭みを取り除き、旨味を添加し、腐敗発酵を抑制し、かつ良性発酵を期待している。
干しは、原則、外気で干すため、晩秋から冬にかけての寒い時期に合わせる。
しかしながら、今までの経験では、11月の寒さで安心して干し始めると、だいたい季節外れの暖かい日が訪れ、料理人を困らせるものです(笑)。
私は、しっかり乾燥させますが、十分に水分を抜き去り、そこにうまみ成分の劇的な増加を期待するからです。
鰹節、いりこ等、乾物とはそういうものです。
近年は半生が流行りで、半生仕上げのレア加減に驚くお客様に働きかけているようです。
しかしながら、うまみ成分は絶対的に「乾物>半生」」です。
そして、半生には腐敗発酵や、扱いによっては、望ましくない細菌類の繁殖を完全に否定はできません。
本流が乾物であり、先人たちの知恵。半生は、亜流。
そこに気づいている料理人の方々には、先人たちの知恵を日本の宝として、守り続けてもらいたいものです。
さて、美味しいカラスミに一番大切なことはなんでしょう?
もちろん、素材です!
近年は、流通が充実し、今朝活け〆のボラの子が、その日の夕方には届くのです!
筋子も同じ、やはり質や鮮度で、その味わいは全く異なります。
カラスミも、素晴らしい質や鮮度のよいものを仕入れてこそ、美味しく仕上がるのです。
近年の流通の充実と、協力業者様の選別眼とお力添えに、感謝しております。
当店での新物カラスミの提供は、1月になる予定です。
店主 拝
本郷三丁目 和食店 | 日本料理一会 | 元ミシュラン星獲得店


